夏です。夏とくれば多くの人は百合を連想するでしょうが、編入試験の季節でもあります。蝉の旬でもあります。 蝉の話はこっち。 豊橋編入試編はこっち。
元々高専卒業後はぼんやりと何処かに編入することを希望していましたが、 中学卒業時にはそこそこだった成績も高専で溶けている内にあれよあれよどころか2秒で20番台となったこともあり、具体的な進路をろくに考えることなく過ごしていました。 そんな感じで1~3年はロボコンとプロコンで中途半端を煮詰めていたのですが、4年で留年し降りてきてから猛勉強を始めた先輩に影響され、そこそこ勉強したら学年3位を取れてしまいました。そこそこいい気になって勉強をしましたがやっぱり飽きますし、周りも勉強量を増やしたのもあり6位、9位と徐々に順位を落とし、結局は最終成績10位で終わってしまいました。 10位とは言っても大体編入圏ではありますし、9位を取った後期中間の辺りで編入を考え始めます。下手の考え休むに似たり(実際休んでいます)。
結果
受かった!!!!!!!! pic.twitter.com/ptKHnmv3uz
— Vir ethnicus (@namachan10777) July 24, 2019
これ普通冒頭に置くものじゃない気がします。
動機
まだちょっと働きたくないとか専攻科が微妙っぽいとかロシア語取りたいとかです。 高専卒業後就職するということが魅力的に見えなかったのもありますが、 高専時代にあまり計算機の話が中々出来なかったのでTwitterから見える大学の環境に憧れたのが大きいです。 高専カンファレンスに何度か参加し、mixiの*challengeにも参加して高専が如何に狭い世界かを感じさせられ、このまま就職することが不安になったのもあります。
以上が大学編入を目指した真面目な理由で筑波を目指したのは最程に影響されたことと筑波山があったからです。 西の富士、東の筑波と並び讃えられるほどの名山の麓に住めるのは圧倒的な魅力があります。ちなみにキャンパスから20 kmも離れているのは試験日に知りました。詐欺でしょ。
↑人生を変えた同人誌。これ滅茶苦茶良いので読んでください(早口)。読んでなかったら確実に受かってないです。受けるには受けたかもしれない。 ちなみに豊橋を受けたのは響け!ユーフォニアムを観てロボコンをやりたくなったからです。
スペック
成績
学年 | 順位 |
---|---|
1年 | 10位台後半 |
2年 | 中央 |
3年 | 20位台前半 |
4年 | 3位→6位→9位→10位 |
5年 | 悲惨 |
5年が悲惨なのはシンプルに勉強をサボったため。線形代数のほうが楽しかったので仕方ない。 香川高専 電気情報工学科には「情報系のダメな奴」枠が存在し、1~3年は中央付近を彷徨い4年で成績を上げて編入をしてくそうです。僕か? 他の方の編入体験記を見ると誰も彼もプロコンで活躍しIPAの資格を取り席次では常に一桁に留まり…の様な人ばかりで受ける前はビビり散らしていましたがこんな成績でも案外受かることもあります。
数学力
成績で述べたとおりです。中学校はそこそこ良かったけど高専で溶けました。金網で肉を焼くと油が落ちますよね(だから?)
英語力
義務教育以外で勉強したのは中学時代の塾くらいです。昔から苦手科目でした。 後輩に「関係代名詞が後ろに主語を取る場合しか省略出来ないんだ!」とか言って「えっそうですが」などと言われていました。難しいですね。
プログラミング力
中3の冬からやっていました。D、OCaml、Rust辺りを書いています。昔はJavaも書きました。 高専ではプロコンでソルバを延々書いたり死んだ魚の目でReactを書いたりしていました。 AtCoderの今のレートは970です。
受験勉強全般
3月までは線形代数とTOEIC、そこから5月の公開テストまではひたすらTOEIC、終わってからは数学だけやりました。情報は過去問を数度解いただけです。 豊橋も筑波も数学と情報だけで受験できるので物理の勉強は一切しませんでしたが、筑波に関しては悪手でした。coins狙うなら物理も勉強しておいたほうが良いです。
勉強時間は測った訳ではないので正確に把握はしていませんが、4月まではTOEICと線形代数で一日平均1~2時間とかだったと思います。 バイトが忙しくなった5月は一日2時間だけTOEICの勉強をしていました。6月は受験が近いこともありバイトのシフトを完全に外してもらい、試験当日まで一日3~4時間程度勉強をしました。 僕はノートをかなり消耗する方なので、ノートが切れて過去問の裏で勉強することもありました。
モチベーションは響け!ユーフォニアムと最程(前述)、編入体験記で維持していました。 特に役に立ったのが不合格の編入体験記で、「なんやかんや受かるんじゃね?」と思った時に危機感を煽っていました。 同じ筑波を受ける仲間どころか大学編入志望が同じクラスに3人しか居らず一人で勉強していましたが、大学編入試験を受けた専攻科の先輩からの励ましは力になりました。
TOEIC対策
1月にはTOEIC L&R公開テストを勉強せず受けたのですがこの時465です。まずいですね。とある先輩に「人間なら500は取れる」と言われたのですがこの時は人間ではなかったようです。 詳しい経過や対策はこちらに書いています。 公式テキスト4冊を1周、mikanで1500単語くらい覚えて4月の試験で670を取りました。専攻科受験には十分ですが編入には心許ないので5月の試験も申し込み、 abceedと金フレで予想スコア800点になるまでひたすら回して765を取りました。 一日1~2時間を2ヶ月くらい、一日3時間程度を1ヶ月くらいです。 筑波は5月の試験でもなんとか間に合いましたが、東北大とかは余裕で間に合わないので本来4月までには730超えのスコアレポートを手に入れたほうが良いです。
数学対策
徹底研究、徹底演習、大学編入の為の数学問題集 をそれぞれ1周、0.7周、0.5周しました。徹底研究と徹底演習は必須だと思います。 解析も線形代数もさっぱり分からず殆ど新規学習でしたが徹底研究は基礎的な問題が多く解説も丁寧なので飲み込めました(4年間何をしていたんですか?) 後述する今回の筑波の編入試で出た陰関数の微分法は徹底研究には載っていないので最低でも徹底研究、徹底演習の2つはしておいた方が良いです。 3冊目は過去問特訓を選ぶ人が多いですが、僕は学校の教科書が大日本図書なこともあり大日本図書の問題集を買いました。 前2つに比べ実践的で面白い問題が多く楽しいです。
情報対策
何もやっていません。過去問解いてまあいけるでしょって感じだったのでそのまま受けました。大体出来ました。 俺は緑コーダーだぞオラオラ(?)しておけば8割は取れると思います。 不安ならオーダーの計算法辺りをパラパラと学習しておくと良いと思いますが、問題は穴埋めと簡単な最適化程度なのでアルゴリズムの教科書読むより過去問解いた方が良いです。
前日
金曜丸々公欠取って朝からJetStarで成田に降りました。この日初めてモバイルSuica使ったのですがこれ便利ですね。人類の叡智を感じる。 京成電鉄とJR、つくばエクスプレスを乗り継いで筑波に着いたのが15時です。 地下鉄登ってすぐは都会だと思いましたが後で冷静になると別に都会ではありませんでした。 この日は会場下見してラーメン食べたこと以外はホテルに引き篭もって蠢いたり問題集開いたりTwitterしたりしていました。前日に勉強なんて出来ないです。
当日
起床試験合格しました!!!
駅構内のコンビニで朝食を買って試験会場へと乗り込みました。この時は受かるつもりだったのでそこそこ心に余裕はありました。
試験内容
数学と情報しか見ていません。後で物理2を見てこちらを解けばよかったと若干後悔しました。
数学1
問1が陰関数の微分法です。これ知らないと解けないでしょう。 解けるには解けたのですが陽関数に直すと汚くなるしで取れた気がしませんでした。 問2は異常に簡単な広義積分でした。流石に解けます。筑波大学は試験難易度をPWM制御するのをやめろ。 5~10割
数学2
珍しく2問構成です。しかも両方計算問題。証明が得意な僕にとってはかなり痛かったです。 問1は直交行列となるときの値の組みを計算する問題で、符号が厄介なものの普通に解けましたが、問2はdを操作して対角化不可能になる条件を探る問題でした。 「全て」と指定があったにも関わらず1つしか出ず、しかも1つしか出ない証明を書いてしまいました。絶望的です。 6割
情報1
多項式を数値計算するプログラムについてです。これを解いている間は心が楽でした。 途中でべき乗関数の最適化(聞かれてない)を始めていましたが気づけました。 結局一箇所ミスったので8割
情報2
permutationを列挙する再帰関数についての問題です。「この様な関数を何と言うか(A. 再帰関数)」が問1に出ました。国語かな? 再帰なので避けた人が多かったようですがちゃんと処理を追えば難しくはないです。(一箇所ミスりましたが)。 言語処理系のprintfデバッグとかやったことあると有利だと思います。やったことありました(やったね)。8割
英語
765点なので100点です。10割
総評
全体で240~250点でギリギリってところでしょうか。当日は数学で事故ったので精神が終わっていました。
帰り
筑波の先輩某氏とラーメンを食べた後coinsのAC部屋とWord編集部を案内してもらいました。とても楽しかっただけに余計に精神が悪化しました(落ちたと思っていたので)。 夕方に筑波を出て南流山を目指したのですが気付いたら秋葉原に居ました。おかしいですね。幸福実現党が演説をしたりトランペットの路上演奏を見たりしました。多様性ですね。 折角なのでゆっくりCOMIC ZINで最程の新刊と技術同人誌を買ってケバブ食べました。キャバクラのお兄さんに「キャバクラ...」と諦め混じりに声を掛けられました。 悲しい。これが東京なんですね。
元々の予定では千葉あたりで快活クラブに泊まり午前中に成田空港に着くつもりでしたが、 千葉の快活クラブが余りにも高価だったので急遽成田の快活クラブに変えました。神戸中心部でも12時間2300円とかなのだから千葉の外れなら2000円で泊まれるだろうと思っていました。現実は2700円です。 この時点で成田空港に向かう電車は消えてしまい、成田までにしか辿り着けなくなっていました。でもこの時はさほど心配していませんでした。 快活クラブは駅から近いし、多少高くてももう泊まってしまおうと。
電車の中で発狂を防ぐためずっと三体を読んでいたせいで車内で電源が切れました。成田に着いたものの快活クラブが見つからず、結局日付の変わった成田を一時間彷徨い交番で道を訪ねなんとかたどり着きました。 店員「申し訳ありませんがお一人様用のブースは満席です」 僕「アッ...じゃあ、いいです...(退出)」 いやなんもよくねえよ。良くない、良くないんですが残金からして2人用ブースは無理ですからね。 生存権が脅かされてきた辺りで一時的に入試のショックから立ち直ります。生存本能です。マクドナルドに流れ込み200円バーガーと水を頼み居座りました。携帯電話の充電です。 外は雨であり、7月と言えど梅雨の最中、肌寒く外で寝ることは現実的ではありません。かと言ってマクドナルドに始発まで居座る度胸もありません。チキンです。ちなみにチキンチーズバーガーを食べました。共食いか? 店員の目線が痛い。
歩けるのでは? 雨の中歩きました。大型トラックに水を引っ掛けられ心が挫けそうに鳴りながらも歩き、26時に出発して27時半に着きました。 途中空港職員や警備の警官とすれ違いましたが一瞬「えっ」って顔をしてスルーされました。東京は人が冷たい(言いがかり)(そもそも東京ではない)。 三体の残りを読んでホームの第二ターミナル2Fで寝て過ごし、飛行機を待ち高松に帰りました。 風邪はひきませんでした。
総括
なんで受かったのかもよく分かってないですがともかく受かって嬉しいです。 筑波大学の皆さん、編入合格者の皆さん、来年度からよろしくお願いします。